キャリアウーマンだった

義母と娘のブルースというドラマの中で、「私の義母はキャリアウーマンだった」というセリフがある。

義母はバリバリの営業ウーマンで仕事をしていた人。

結婚し、娘を育てるために仕事をやめた。

私もどうやら、キャリアウーマンの端くれだったようだ。転職して今の仕事につくまでは。

毎日スーツで通勤。朝の通勤電車では日経新聞を読み漁る。日中は営業周りで外に出っぱなし。携帯はガンガン鳴る。夕方会社に戻ると、そこからミーティングが始まり、数字が出てないと詰められる。それから資料を作り、帰りは毎日23時頃。家に着くと、シャワーを浴びて、深夜の番組を少しだけ見て寝る。疲れMAXのときは、スーツのまま部屋に倒れ込んで寝てしまうこともあった。平日に友人達と会うときは時間通りに会うことなんてできず、一人遅れていき、顔を出す程度になってしまう。そんな生活をしていたもんだから、周りからは「キャリアウーマン」なんて言われていたのかもしれない。

当時は、そんな生活がとても嫌だった。20代という貴重な時間をとても無駄にしているような気持ちが強かった。彼氏と会うことも体力的にしんどくて、連絡をとることすら億劫だった。それで、フラれた。

私何やってんのかなって、さすがに思った。

それで、事務職に転職した。残業が多くしんどい部署になることもあるけれど、以前よりは人間らしい生活ができている気がする。やがて同じ会社の人と結婚して、子どもができて、今は仕事をしながら子どもも育てている。とっても忙しいし、しんどいけれど、以前とは中身が違う。以前は私の90%くらいを占めていた仕事が、今は半分以下になった。

今は、以前のように情熱というか、どうしたら自分が成長するかとか、どうしたら仕事がうまくいくかとか、そういうことを考えることがない。本を読んで勉強したり、仲間とあーだこーだ議論したり励まし合ったり、そういうことがない。そんな状況に、たまにさみしくなるときがある。

ここ最近、調べ物があってYouTube見ることが多い。そんな中、たまたま目についたチャンネルがあって、何個も動画を見てしまった。

その配信者の方は私よりもずっと年下。すごーく忙しそうなんだけれど、楽しそうに仕事をしていて、いっぱい勉強して仲間とも一生懸命関係築いている。そんな生活が懐かしいというか、羨ましいというか、複雑な気持ちを抱きながら動画を見ている。

私の今の仕事は、本当に、生活のために「こなすだけ」。

与えられた仕事をこなしたら、できるだけ早く帰って、子どもと家事をする。家事と子育てがが私のメインの仕事。家族のために私の労力や時間を使っている。

そうはいっても私は手に入れたんだ、子どもというかけがえのない存在がいる幸せを。そう、とっても幸せなんだよね。

だけど、独身で仕事をバリバリしている人を見ると、今の自分がとっても寂しそうに思えてしまうんだ。きっとその配信者の女性も、この先縁あって結婚して子ども生まれたとしたら、今と同じようには働けない。そうなったとき、どんなふうに両立するのだろう。ドラマのように、子育てに集中するためにやめてしまうのか。私みたいに続けてはいるけれど、仕事のスタイルが全く変わってしまうのか。それとも、変わらず仕事をバリバリ続けていくのか。

私は、今の生活を劇的に変えることはできない。けれど、少しでもより良くしていけるように、考える時間や行動する時間を少し増やしていけたらなと思う。もう少し、自分のために時間とか労力とか使っていけたらいいな。

自分を磨く。運動したり、勉強したり、色んな人とコミュニケーションとったり。色んな工夫をして楽しみたいな。色んな経験したいな。

昔はあんなに仕事に忙しいのが嫌だったけれど、意外と悪くなかったのかもな。

また、あんなふうに仕事に向き合えるときがくるといいな。

タイトルとURLをコピーしました